2025年7月10日木曜日

<18世紀のパリ散歩>

 





<18世紀のパリ散歩>
2025年12月27日(土) 14:30開演(14:10開場)

18世紀のフランス人作曲家による、2本のフルートとクラヴサンのための曲の数々をお送りします🎵


【出演者】

有田 正広(バロック・フルート)

長島 有紀(バロック・フルート)

及川 れいね(クラヴサン)


【プログラム】

F.クープラン  「諸国の人々」より〈フランス人〉 ホ短調 《Sonade》


J-M.オトテール 2本のフルートのためのトリオソナタ ロ短調 Op.3 No.3

         2本のフルートのための組曲 ロ短調 Op.4 No.2


M.ブラヴェ   フルートソナタ ロ短調 Op.3 No.2

         2本のフルートのための組曲 ホ短調「ブラヴェ氏のPrélude」

「門番」等


C.デュパール  フルートと通奏低音のための組曲 イ長調 No.1


N.シェドヴィル フルートのためのソナタ ホ短調 Op.7 No.1


J.デュフリ    クラヴサン曲集 第4巻より《La Pothoüin》

                 第3巻より《Chaconne》


【会場】

松本記念音楽迎賓館

東京都世田谷区岡本2-32-15

二子玉川駅、成城学園前駅よりバス約10分+徒歩5分

詳細アクセス


チケット】

要予約 / 限定50席

4500円 (全席自由)


【ご予約・お問い合わせ】

kiyumashigana (at) yahoo.co.jp


名前 & 枚数をご明記の上お申し込み下さい


【後援】

日本チェンバロ協会




写真:及川れいね(左)、有田正広(中)、長島有紀(右)



【出演者プロフィール & 各々のパリへの想い】



★有田 正広 バロック・フルート★


戦後数年後に生まれた、いわゆる「団塊の世代」とか、「老害」と言われる今年、76才の笛吹き。

約15年程前に蓄音機に出会い、以来自ら「蓄音狂」と名乗り、19〜20世紀前半までの名演奏家の音源を愉しみ、人様に弁士としてご披露している。

また料理は常に「冷蔵庫と相談」の、食べられるモノを作り、ただひたすらに食する事に没頭する。。戦後生まれの「餓鬼」の性か。。。。


現在は母校の桐朋学園で、あと数年残された後進の指導を行い、また過去音楽の歴史を掘り起こし研究発表する小さくも、愛おしいグループ「サロン・ダリトウsalon d’Aritau 」を主宰する。

現在、音友からバッハのフルート・ソナタの原典版と、有田の音楽人生を執筆中。


<経歴>

1972年   

桐朋学園大学を首席で卒業

第40回NHK・毎日音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)の管弦楽(フルート)部門で第1位と特賞を獲得


1975年   

ブリュッセル王立音楽院を首席で卒業

ブルージュ国際音楽コンクールのフラウト・トラヴェルソ部門で第1位(2位、3位なし)


1977年    

デン・ハーグ王立音楽院を首席で卒業

帰国後、「18世紀オーケストラ」「イングリッシュ・コンサート」etc...内外の名手たちと共演を行う


1979年   

桐朋学園大学古楽科(新設)講師に就任


1988年   

東京バッハ・モーツァルト・オーケストラを結成

第21回サントリー音楽賞を授与


2007年   

昭和音楽大学のピリオド楽器研究所の所長に就任


2018年 

第30回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(特別賞)を受賞


2021年   

第8回JASRAC音楽文化賞を受賞



〜パリ、彼方の地 有田の巴里の想い出

  

演奏会や仕事でパリに来るとモンマルトルの丘近くにある「トローゼ通り」の常宿を拠点としていた。

近くには有名な「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」や、アール・ヌーヴォー時代のE.ギマールの作った美しいメトロポリタン入り口のファサードのあるアベス駅近辺の下町散策は僕のファンタジーを大いに刺激してくれる。


また、マレ地区は17〜8世紀の香りが残る。

その美しい通りを散策すると、クープランと出くわすような!何とも音楽的な空気感が堪らない。


そして、今は無い、古きコンセルヴァトワールに通う学生達の喧騒が今も聞こえてきそうな。。何故か緊張して歩いて仕舞うローマ通り…


脚繁く通ったクリニャンクール。其処で小さな骨董屋を営む女主人、ドレル夫人からは何本もの18世紀の名工のフルートを紹介して貰い、今も我が家でバロックの音色を奏でている。


長島有紀さんの仲立ちで、最近何年かぶりに付き合いが再開した、1区に住む「フルート・オタク」のギ・コランとは、かつて美しき良き時代のフルート名工たちのオタク談義が懐かしい。


また、昔のメトロⓂ️はちょっと気取った老婦人や、髭を自慢げにたくわえた紳士達の乗る一等車は気分を盛り上げてくれた。

今のメトロは一等車とかは無くなり、車輪は鉄製から自動車のようなゴムのタイヤに変わり乗り心地は良くなったが、あの美しい雰囲気は完全に過去のもの。

特に車内の手摺りはピカピカに磨き上げられた真鍮製で、狭苦しい車内に、何か優雅さを醸し出していたのだが。。。


最近のパリは街が汚され、治安も悪く空気感も重たく暗く感じて仕舞う。なんとも残念で悲しい。。。

オスマン・セーヌ県知事のパリ大改造計画の後の今現在のパリは、一体何処に向かうのか?


僕のパリの想い出は、見る所全てが絵になるような、あの失われた時代と今を重ねているのかも知れない。。。


★長島 有紀 バロック・フルート★ 


何の訓練もなしに運動会では毎年リレーの選手に選ばれる、運動神経の良いスポーティな子供だった。

「この子は将来スポーツ選手になるのかしら?」と両親には密かに期待されていたようだが、中学に入学すると周りの意に反して、音楽の道を選んだ。


高校3年生の夏に有田正広氏との出会いがあり、昭和音楽大学に入学。

不器用で下手くそな私は、度々師匠に叱られ、レッスンではよく涙していた。

子供だった当時の私には、先生の意図が全く汲み取れず、長い年月を経た今、師が私に愛情を持って音楽を全力で教えてくれたことをようやく理解する。


同大学を卒業後はオランダに留学し、デン・ハーグ王立音楽院でバルトルド・クイケン氏に師事。

この頃、自分の演奏技術の未熟さは、身体と楽器の不統合さが原因なのではないか?と改善に躍起になっていた。アプローチの仕方は独特かもしれないが、放課後はスパルタ教師の教えるバレエ教室に週5で通い、身体の鍛錬に明け暮れた。


このことは直接的には演奏技術の向上に結びつきはしなかったが、筋、⾻、関節の働きに着⽬し、⾝体機能との関連を研究する"機能解剖学" を学び始めるきっかけに繋がる。


現在は、ピラティスのインストラクターとしても活動をし、現代人の悩める不良姿勢の改善に取り組む。また演奏時における身体の使い方の向上を目指し探究を行なっている。

 

J'♡ Paris 〜パリに恋して 長島の巴里の想い出

 

大学1年生で初めてパリを訪れた際の衝撃は忘れられない。


街のあらゆる建造物が美しく、朝食のクロワッサンの美味しさに驚愕し、臭くて不気味なメトロの通路を歩けば、ミュージシャン達の生気のある音楽が鳴り響き、車内ではスリに合わないように鞄を抱きしめて、店では美形なパリジャンに塩応対される...


たった1週間の滞在だったが、日本とまるで異なる文化をこれでもかと見せつけられて酷いショックを受けた。決して良い思い出ばかりではないのに、日本に戻ってからもパリでの日々が忘れられない、程なくして恋に落ちてしまったことに気づく。


その日から「いつか私はパリに住む!」と決意をするが、残念ながら未だその機会には恵まれていない...


世界中の人々を虜にする魅惑の街、パリ。

今から約300年前、18世紀のパリは一体どんな街だったのだろう?


★及川 れいね クラヴサン★


フェリス女学院大学音楽学部ピアノ科卒業。

桐朋学園大学古楽器科研究生、サンモール音楽院、パリ市立音楽院でチェンバロ(クラヴサン)を学ぶ。

渡邊順生、リシャール・シーゲル、ノエル・スピート、ピエール・アンタイの各氏に師事。


Une petite surprise 〜毎日がサプライズ   及川の巴里の想い出


有田先生と同じく「団塊の世代」で東大闘争をしていた父と、当時日本では珍しいチェンバロ(クラヴサン)を学びたかった母は共にフランスに渡り、その後産まれた私は「Reine(女王)」というキラキラネームを付けられました。


両親のフランスかぶれをしっかり受け継いだ私はパリへ留学。

16区の端っこ、ブーローニュの森の近くのアパルトマンに住み、パリ中心部にある学校まで毎日メトロで通いました。

ある日、通学中にいつものように本を読んでいると、乗り合わせた乗客から1枚の小さな紙を渡されました。

それは、本に目を落とす私のスケッチでした。

驚く私にニコニコと手を振りながら、その人は乗り換え駅で降りていきました。彼は画材やイーゼルを抱えていたので、多分モンマルトルの丘で似顔絵を描く仕事をする絵描きさんなのでしょう。

パリのメトロで漢字の本を読むアジア人の若い(当時)女の子は、デッサンの題材として面白かったのかも知れません。


パリの人は「粋」なことが好きで、ちょっとしたサプライズをこよなく愛します。

そこには「相手を喜ばせたい」という気持ちが含まれていて、サプライズする方も、される方も笑顔になります。


それから時は流れ、今年から通い始めたピラティススタジオで、トラヴェルソ奏者とプロインストラクターの二刀流でご活躍の長島さんと偶然出会いました。

そして長島さんのご紹介で桐朋時代の恩師である有田先生と再会させていただき、なんとこの度共演するという幸運に恵まれました。


思い出深いフランスの音楽を、素晴らしいお二方と共にお届けできることを心から幸せに思います。


サプライズな毎日は今も続いています。





2024年11月11日月曜日

<With バルトルド・クイケン Barthold Kuijken>




https://youtu.be/lZlHUFp46mo 

<With バルトルド・クイケン> 

コンサートの動画配信 by 霞町音楽堂

<With Barthold Kuijken> Concert video streaming by Kasumicho Music Hall

2024年11月8日(五反田文化センター)<With バルトルド・クイケン>動画配信です♫




【出演】 フラウト・トラヴェルソ Traverso バルトルド・クイケン Barthold Kuijken 有田正広 Masahiro Arita 前田りり子 Liliko Maeda 菅きよみ Kiyomi Suga 新井道代 Michiyo Arai 長島有紀 Yuki Nagashima 相川郁子 Ikuko Aikawa 野崎真弥 Maya Nozaki ヴィオラ・ダ・ガンバ Viole de Gambe 折原麻美 Asami Orihara チェンバロ Clavecin 渡邊順生 Yoshio Watanabe

企画:コルテ・デル・トラヴェルソ

2019年11月10日日曜日

ヨガと私


私は現在東南アジアにいて、インド人のヨギー達が身近にいる環境で生活しています。
そこで幸運にもヨガを深く学ぶ機会に恵まれ、インストラクターの資格<RYT500>(全米ヨガアライアンス)を取得しました。

私のヨガとの最初の出会いは、どうしたら息が長くなるか?という壁にぶち当たった学生の時です。
皆さんご存知の通り、ヨガにはたくさんの呼吸メソッドがあります。
フルートのテクニック上達のために始めたヨガけれど、いつしか、ヨガは私の生活に欠かせない存在になっていきました。
ヨガをすると不安定な精神は落ち着き、体が強くなるのを感じていくのです。

そしてヨガとフルートを演奏することには大きな共通点があります、それは「深く呼吸をする」ということと「自分自身と向き合う時間」であるということ。

ストレスフルな現代人の心身の改善のために役立てるようなプログラムを作っていきたいと考えています。

2019年8月7日水曜日

「ブルーインフラがつくる都市-東京港湾倉庫論-」展、最終日の演奏会♬

青い展覧会場の中での演奏

(左)渡邊氏、展覧会最終日を締め括る

フルートの500年の歴史をレクチャー

Collaboration of Contemporary architecture & Baroque flute🎵
<Baroque Flute × Bleu Infrastructure>

The theme of the exhibition is "water"
1. I play baroque flute at the exhibition "Blue Infrastructure making the city" at Re-SOHKO
2. Mr. Watanabe (architect) explains the summary of the exhibition.
3. I gave a lecture on "500 years of flute history"

現代建築 ✖︎ バロック音楽
「ブルーインフラがつくる都市-東京港湾倉庫論-」展
早稲田大学・渡邊大志研究室主催の展覧会 (Re-SOHKO東京港湾地区の倉庫に於いて)
最終日に<バロックフルートとブルーインフラの調べ>が開催されました。
展覧会のテーマは「水」💧
「倉庫は人類最初の建築物ではないか(渡邊氏)」との原案から、こんなにも壮大な都市計画に展開するのですね~!会場には渡邊氏のこれまでの研究の成果が模型とともに展示されていました。
建築家の頭の中は果てしないイマジネーション!!
今回、建築とバロック音楽を掛けることで、意外にも沢山の共通点が見つかりました。
会場となったRe-SOHKOさんでは、様々な建築のアートイベントが開催されています。
渡邊先生、貴重な機会を与えて下さって感謝しています。
またご一緒させて頂ける日を楽しみにしています!
2019年7月27日、於:Re-SOHKO

2019年7月20日土曜日

バロックフルートとブルーインフラの調べ



「ブルーインフラがつくる都市 -東京港湾倉庫論-」展
<早稲田大学・渡邊大志研究室>主催の展覧会最終日7/27(土)のミニコンサート「バロックフルートとブルーインフラの調べ」に出演させて頂きます♪

"バロックフルート奏者の長島有紀さんをお招きして、「ブルーインフラがつくる都市」展会場で、ミニコンサートを行います。建築は「凍れる音楽」と言われてきました。展覧会最終日は、今のフルートの原型となったバロックフルートの音色と共に、初夏の夕涼みと致します。(渡邊大志)
ご参加お待ちしております。"
日時:2019年7月27日(土)16:30〜
参加費:2000円(当日清算)
会場:港区港南3-4-27第二東運ビル『ブルーインフラがつくる都市』展会場
スケジュール:16:30〜17:30 ミニコンサート
 (お茶とお菓子をご用意致します。)
お申し込み先:watanabe.taishi.lab@gmail.com
主催:早稲田大学渡邊大志研究室
協力: Logistics Architecture 研究会

2019年7月16日火曜日

紫陽花と神社

神社に咲く紫陽花

今年の梅雨はいつもより長いです?
紫陽花って色も形もヴァリエーションがたくさんあるのですね!

2019年4月29日月曜日

古楽マメ知識②−RenaissanceFlute






この私が吹いているフルートはルネサンス期 (1500 〜1650以降頃)に演奏されていたフルートです。
特徴は、分割ができない円柱形の管にトーンホールが6つ開いているだけのシンプルな構造です。
ルネサンスフルートの音色は明るく澄んでいて、よく響きます。
ですが、このフルートはピッチの調節ができず、半音を出すのが苦手で、音量が弱いために次第に廃れていってしまいます。
🇬🇧
The flute I hold is a flute that was played during the Renaissance (from 1500 to 1650 and onwards). 
It is a cylindrical tube that can not be divided as it made in one piece of wood. 
It has a simple structure with only six tone holes. The tone of renaissance flute is pure, brilliant and resonates well. 
The pitch of that flute could not be adjusted, it was not good at making semitones, and the volume was low, so it gradually became obsolete.

🇫🇷
La flûte que j’utilise est une flûte du style de la Renaissance (de 1500 à 1650 et après). 
C’est un tube cylindrique fait d’une seule pièce de bois. 
Elle a une structure simple avec seulement six trous de tonalité. Le ton de la flûte renaissance est pur, brillant et résonne bien. 
Le pitch de cette flûte n'etait pas ajustable, elle n'était pas bonne pour faire des demi-tons et le volume était faible, donc elle est devenue progressivement obsolète.